2009年02月16日

ソーシャル・スキル

 「教育カウンセラー養成講座」3日目の講義「ソーシャルスキル」は早稲田大教授の河村茂雄先生が担当なさいました。「ソーシャル・スキル」は、耳慣れない用語かもしれませんが、一言で言うと「対人関係を営む技術」のことで、「自分の思いを、適切な言葉や態度にして、相手に伝える技術」、「個性ある思いや考えを、周りの人に抵抗無く、伝える技術」のことです。(河村先生の説明)


さらに先生は、ソーシャル・スキルが高い人の3つのポイントを、次のようにあげていらっしゃいました。

    ① 相手がどのような人かを理解して、
    ② 自分の思いを、相手が理解できるような、言葉や態度にして、
    ③ 適切に相手に伝えている


先生は最初、自己開示(自分のことを語る)を兼ねて、ソーシャル・スキルの高い弟さんの話をなさいました。弟さんは人づきあいが上手で、親戚中から評判が良く、結局、長男の自分に代わって家を継ぐことになったそうです。(「研究に没頭できる立場になれて弟さんに感謝なさっているのでは?」と思われます)


「『郷にい入れば郷に従え』という言葉もあるように、『その社会では、どういうことを良しとするのか?』を考えて、その地域や集団に属する人々と付き合っていくかが大切だ」とも説明なさいました。つまり「ソーシャル・スキルを身につけて、折り合いをつけていくことが大切だ」ということでした。


ですから、職場などの集団の中で「浮いている」と感ずることがあれば、「どういう関わり方をしていけば、少しでも人々になじんでいけるのか?」というソーシャル・スキルを磨きながら接していくことが重要だと思います。


 先生の話の中で笑えたことがいくつかありました。たとえば、ある女子短大にピンチヒッターで講義をしに行った時(入院をした友人の代わりとして)、先生が教壇に立っても食べ物を口にしている人、化粧をしている人、私語をしている人、テキストを持っていない人達がいて、面食らったようですが、「やめなさい!」では無く、「早く化粧を終えて下さいね!」などと、その学生のレベルや情況に合わせたソーシャル・スキルで対応せざるを得なかったそうです。「『化粧をやめなさい!』と言うと、アイシャドーが片目だけに塗られ、怖いことになる!」とおっしゃったので、笑いが起こりました。


 特に印象的な言葉は、「不安なことが起こっても、次の一手(いって)(方法)が分かる人は、乗り越えていける!」、「『知っている』ことは、必ずしも『やれること』・『できること』にはならない」ということでした。まとめてみますと、「次の一手が分かるだけでは無く、できる力をつけておくことが大切だ」と言えると思います。


 「教育カウンセラー養成講座」は、必ずしもカウンセラーを目ざす方々だけが対象の講座では無く、親や教師・管理者・トレーナーなど人を育てる立場でいらっしゃる方々、人と関わりながら生活している職業人・一般人など、あらゆる分野の方々が対象になる講座だと痛感しました。




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Posted by うえじょう さくら at 05:31│Comments(0)用語
 
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